ニュース
キリン「氷結 mottainai プロジェクト」第2弾“ぽんかん”発売。フードロス削減と農家支援
2024年10月8日 10:07
- 2024年10月22日 発売
キリンビールはRTD(Ready to Drink:栓を開けてそのまま飲めるアルコール飲料)の「キリン 氷結」ブランドから、「キリン 氷結 mottainai ぽんかん(期間限定)」を10月22日に発売する。350/500mL缶の2種類で、アルコール分は4%。
2024年4月に発売した「氷結 mottainai 浜なし」に続く「氷結 mottainaiプロジェクト」第2弾で、フードロス削減や農家支援につなげることも目的にしている。
「高知県産ぽんかん」の規格外廃棄果実を使った氷結シリーズ初のぽんかんフレーバーが特徴。豊かな香りとみずみずしい果実感を楽しめるチューハイで、皮をむいたときに広がる爽やかな香りと甘くてジューシーな味わいを、軽やかな炭酸感とすっきりとした後味で楽しめる。
高知ぽんかん農家 千光士尚史氏からのコメント
私たち農家は、よりよいぽんかんを栽培できるよう日々努力を重ね、自信をもって美味しいぽんかんを出荷しています。しかし、どんなに頑張っても気候変動や規格の問題により流通できない、廃棄せざるを得ないぽんかんができてしまいます。そうした“モッタイナイぽんかん”が「氷結 mottainai」をとおして、多くのお客さまに農家の思いとともに届くとうれしいです。また、知名度が上がることで高知県産ぽんかんに愛着を持ってくれる人が増えてくれることを願っています。
商品発表会ではキリンビール マーケティング部「氷結」ブランドマネージャーの加藤麻里子氏が登壇し、「氷結 mottainai プロジェクト」の概要を解説した。
事の始まりは氷結開発チームが規格外の廃棄果実を食べたときに「こんなに美味しいのに捨ててしまうなんてもったいない」と思ったことがきっかけで、キリングループのCSV(Creating Shared Value:お客さまや社会と共有できる価値の創造)経営の一環として、フードロスの削減や売り上げの一部を果実農家に寄付することで農業支援にもつながる仕組みとして立ち上げたという。
2024年5月に発売した「氷結 mottainai 浜なし」は氷結限定商品の出荷実績1位を記録し、フードロスの削減にも大きく貢献。消費者庁・環境省主催の食品ロス削減推進表彰 審査委員長賞を酒類業界として初めて受賞している。また、寄付金額の合計は599万3296円に達し、JA横浜で苗木の購入などに活用する予定となっている。
続いてキリンビール マーケティング部 アシスタントブランドマネージャーの山岡加菜氏、同商品開発研究所 中味開発グループの佐藤良子氏、高知県農業協同組合 安芸地区 安芸営農経済センター 特産販売課 課長の竹内光徳氏、同果樹部 部長の千光士尚史氏が登場。「氷結 mottainai ぽんかん」について解説した。
ぽんかんはみかんより少し大きめの柑橘で、皮をむいたときの香りと濃厚な味わい、ジューシーでぷりっとした食感が特徴で、特に高知県産は南国を思わせるようなオリエンタルな香りになっている。
ぽんかんは温暖な気候を好むので、高知県東部の長い日照時間と降雨量の多さ、そして日当たりと水はけがよい点がぽんかん栽培にとても適している。マイナス気温にならない程度の寒さが香りをよくするので、その点でもぽんかん産地として向いているという。
ぽんかんは冬場の収穫時期に暖かい雨が降ってしまうと果実の表面が陥没したり茶色くなったりするため、味はよいにもかかわらず出荷できなくなってしまう。特に近年は気候変動や異常気象などの影響でこれが多く発生しており問題になっている。
こういった味には問題がないにもかかわらず外見の問題で出荷できなくなったものや、糖度などが規格から外れたものをキリンが使用して「氷結 mottainai ぽんかん」として製造することになった。数年前まではこういった規格外品はコロナ禍で納品先が減ったこともありすべて廃棄していたことを考えると本当にありがたいという。
最後に乾杯が行なわれ「氷結 mottainai ぽんかん」を試飲したが、想像していたよりも甘味があり、かつほどよい酸味が合わさってかなりさっぱりとした飲み口になっている。アルコールの主張が強くないのでお酒初心者でも飲みやすそうな仕上がりだ。