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「ヱビスビール」8年ぶりリニューアル。「YEBISU BREWERY TOKYO」4月開業、恵比寿で35年ぶりのビール醸造
サッポロビール「2024年事業方針説明会」より
2024年1月11日 21:30
- 2024年1月10日 発表
サッポロビールは「2024年事業方針説明会」を本社で開催。登壇した代表取締役社長の野瀬裕之氏、常務執行役員 マーケティング本部長の武内亮人(あきと)氏が、能登半島地震や羽田空港での事故への見舞いの気持ちを述べ、2023年の振り返りと2024年の展開について説明した。
ビールは109%、RTDも115.8%と伸長
酒税税率改正により、価格が魅力の一つだった“新ジャンル”がダウントレンドへ入り、ビールへの回帰、RTD(Ready to Drink:栓を開けてそのまま飲める低アルコール/ノンアルコール飲料)への流入が見られるようになってきた。新型コロナの5類感染症移行による業務用市場の回復もあり、2023年はビールの需要が高まる1年となった。
「サッポロ生ビール黒ラベル」がけん引し、ラガー瓶も前年比135%と好調なことから同社のビール分野は前年比109%と伸長。「濃いめ」ブランドや「男梅サワー」ブランドも好調でRTD分野も過去最高売上を達成して115.8%となった。
同社がビールの魅力化促進と新市場創造に取り組んできたことが結果に表われたことから、「仮説が確信に変わってきた」と野瀬社長も自信を見せる。そして「サッポロ生ビール黒ラベル」と「ヱビスビール」の地名を冠する2つの独自ブランドの歴史や物語がつなぐ顧客との接点・マーケティングにより、「未来のビール市場をカイタクし、市場の活性化に貢献」していきたいと展望を掲げた。
ビールに対する「憧れ」を創出してビール関心層を拡大
酒税改正を機に価格差が縮まり、ビールとRTDの市場内構成比が上昇するなか、生活者動向は消費意欲は高まるも、物価上昇の影響からお金の使いどころを吟味する「メリハリ」の傾向にあり、顧客に「価値を感じてもらうハードルはこれまでよりも高くなる」と分析。新しい定番を増やそうとするのではなく、新しい競争軸を生み出し定番を進化させていくことが重要だと強調されていた。また、価値観の多様化、心と身体の健康のために、顧客と「お酒」との新たな関係を創ることも不可欠だとした。
これらを受け2024年の事業方針を、「『個性』と『物語』を強みとしたビール『憧れ』を創り出す独自のビールマーケティングの推進」を掲げ、これまでビールに関心がなかった層の興味・関心を惹き立て、日本のビール市場活性化に貢献していくことと表明した。
黒ラベルの世界観と生ビールのうまさに感動する「THE PERFECT 黒ラベル EXPERIENCE 2024」
ビール分野の二枚看板のひとつ「サッポロ生ビール黒ラベル」は2023年12月製造分から順次リニューアルを実施。製造工程の改善を積み重ね「味や香りを鮮明に保つクリーミーな泡」に磨きをかけたという。
そして2024年は「THE PERFECT 黒ラベル EXPERIENCE 2024」と題し“黒ラベルの世界観と生ビールのうまさに感動する”体験イベントを3月~6月に全国11か所で実施する。
THE PERFECT 黒ラベル EXPERIENCE 2024
実施期間: 2024年3月27日~6月2日
実施都市: 東京、浜松、名古屋、鹿児島、大阪、福岡、神戸、広島、札幌、仙台、新潟
内容: サッポロ生ビール黒ラベルとおつまみを500円で販売。ザ・パーフェクト黒ラベル既定の3C(CREAMY・CLEAR・COLD)を実現し、ザ・パーフェクト黒ラベルカランで注がれる「完璧な生」を味わえる
Webサイト: サッポロ生ビール黒ラベル
また、業務用施策として「THE PERFECT 黒ラベル AWARD 2024」を設定。同社の品質基準を満たすザ・パーフェクト黒ラベル店、50店を選出して表彰することでさらなる品質の向上を図っていく。
さらに“特別な黒ラベル”として「サッポロ生ビール黒ラベル エクストラブリュー」を3月に発売する。同社独自開発の「旨さ長持ち麦芽」を使用し、一口目の麦のうまみや、何杯飲んでも飲み飽きない黒ラベルらしい「生のうまさ」は残したまま、爽快な後味を追求したという。
サッポロ生ビール黒ラベル エクストラブリュー
発売日: 2024年3月5日
パケージ: 350mL缶、500mL缶
アルコール分: 5.5%
「YEBISU BREWERY TOKYO」4月3日開業。35年ぶりに恵比寿でビール醸造
もうひとつの看板ブランド「ヱビス」は、プレミアムビール市場の停滞感があったものの回復傾向にあり、リアル体験や新商品、広告展開などにより顧客接点を拡大していくという。
まず、リアルの接点として本社のある恵比寿に醸造施設を伴ったヱビスのブランド体験拠点「YEBISU BREWERY TOKYO(ヱビス ブルワリー トウキョウ)」を4月3日に開業する。
恵比寿という地名の由来が同社商品であることは有名だが、1890年に「日本麦酒醸造会社(現サッポロビール株式会社)」がヱビスビールのルーツである「恵比寿ビール」の製造・販売をこの地で開始し、1988年に工場の移転のためビール製造を終えてから、35年ぶりにビールの醸造を再開することになる。
ブルワリー開業日には、ブルワリー限定の通年フラッグシップ商品「ヱビス ∞(ヱビス インフィニティ)」「ヱビス ∞ ブラック(ヱビス インフィニティ ブラック)」に加え、春夏の期間限定で「Foggy ale 2024(フォギーエール 2024)」を販売。ビール開発を霧に形容したことを商品名の由来とした、2種のホップをドライホッピングしたことによるトロピカルな香りと、霧のようにかすんだ液色が特徴という。
YEBISU BREWERY TOKYO(ヱビス ブルワリー トウキョウ)
開業日: 2024年4月3日
営業時間: [平日]12時~20時、[土日祝]11時~19時
定休日: 火曜(祝日の場合は翌日)、年末年始
所在地: 東京都渋谷区恵比寿4-20-1 恵比寿ガーデンプレイス内 現ヱビスビール記念館
また、ヱビスビールを2024年2月製造分から順次リニューアルする。8年ぶりというリニューアルで、ホップの最適な使用方法をさらに追求することで、麦の旨味を際立たせ、洗練させた味わいへ進化したという。
さらにヱビスブランドの新ライン「CREATIVE BREW」第3弾として「ヱビス シトラスブラン」を2月に発売する。春夏にふさわしいさわやかで豊かな美味しさを実現するために、さわやかな香りのハーブ「レモングラス」に着目。産地から徹底して吟味したレモングラスを採用し、柑橘のような香りのホップ「シトラ」とマリアージュさせることで、清涼感あふれる上質でフルーティーなヱビスとなった。
「ヱビスビール」リニューアル
発売時期: 2024年2月製造分から順次
パッケージ: 250mL缶、350mL缶、500mL缶、334mLびん、500mLびん、633mLびん、10L樽、20L樽
アルコール分: 5%