ニュース

キリン、17年ぶりのスタンダードビールの新ブランド「晴れ風」4月2日発売

2024年4月2日 発売

キリンビール 晴れ風

 キリンビールは、ビールの新ブランド「キリンビール 晴れ風」を立ち上げ、4月2日に350ml缶と500ml缶を発売する。

 晴れ風は、2007年発売の「キリン・ザ・ゴールド」以来、同社が17年ぶりにスタンダードビール市場に投入する新ブランド。1888年に誕生した「キリン ラガービール」、1990年に誕生した「キリン 一番搾り」に次ぐ、定番商品を目指して開発された新たなビールブランドとなる。

 ビール類の市場規模は近年縮小傾向にあるが、酒税改正の追い風もあり、狭義のビールは伸長が見込まれている。一方、同社の調査では、ビールが苦手なところとして「苦みがある」ことや「飲みづらい」ことが挙げられており、こうした課題を解決することを目指して開発されたのが今回の新商品とされる。

 原料については、麦芽100%で、副原料を使わず、麦とホップと水のみで素材の魅力を引き出すことを狙ったという。ホップについては、爽やかな柑橘の香りが特徴となる日本産のIBUKIを50%以上使用。

 過度な酸味がビールの飲みにくさの一因となるとの判断から、仕込みや発酵工程を工夫することで、まろやかな味わいとスムースな口当たりを実現するとともに、ビールとしての味の厚みや飲みやすさの両立を図っている。

 また、ビール片手に楽しむ桜や花火といった日本の風物詩が、資金難や高齢化、気候変動などの理由で継承の危機にあるとして、売上の一部をそれらの支援に回す取り組みも商品設計の一部として実装される。

 4月2日にスタートする第1弾では、日本全国の桜をテーマにした応援活動を実施。350ml缶1本につき0.5円、500ml缶1本につき0.8円が全国の自治体に寄附される。また、スマートフォンで缶の裏に印字された2次元コードを読み取り、特設サイトにアクセスすると、1日1回0.5円分の晴れ風コインが付与され、好きな自治体を選んで寄附できる。

 第2弾は花火がテーマになる予定で、詳細や第3弾以降の展開については決まり次第アナウンスされる。

 3月26日に開催された発表会では、代表取締役社長の堀口英樹氏、副社長 執行役員の山形光晴氏、マスターブリュワーの田山智広氏、マーケティング部 部品開発研究所 中味開発グループの東橋鴻介氏が登壇し、新ブランド立ち上げの狙いや味わいへのこだわりが紹介された。

晴れ風を披露する代表取締役社長の堀口英樹氏
副社長 執行役員の山形光晴氏
マスターブリュワーの田山智広氏
マーケティング部 部品開発研究所 中味開発グループの東橋鴻介氏

 堀口氏は、「キリンビールは時代に合わせてさまざまなビールを生み出してきた。近年、ライフスタイルや価値観の変化などを背景に、お客さまの考え方、行動基準はめまぐるしく変化している。こんな時代だからこそ、今お客さまの嗜好や価値観を捉えた新しいビールをお届けしたいという気持ちが強くなってきた」と新ブランド立ち上げの理由を説明する。

 時代にあわせることを意識し、プロジェクトの推進にあたっては5年目の若手社員を抜擢。日本の風物詩を応援するユーザー参加型の新たな取り組みも商品の企画に盛り込まれることになった。

 同氏は、初年度の販売目標を430万ケースと定め、将来的には一番搾りの半分か、それ以上を目指していくとしている。

 続いて登壇した山形氏は、「ビール類のカテゴリーは経年的に縮小傾向にあり、若い方も愛好者も、時に苦さや重さ、飲みづらさを感じていることが分かってきた。あえてそこに機会があると考えた」と語り、時代にあわせた新たなおいしいビールの味わいを目指したと説明した。

 その後、田山氏と東橋氏が一緒に登壇し、商品開発の裏側が紹介された。

 田山氏は「新しい時代の新しいビールということで、若い感性、自由な発想で商品を作ってもらいたかったので、若手に託した」と振り返る。同氏によれば、近年力を入れているクラフトビールについては、飲みごたえを重視し、いかに個性を出すかに注力しているが、今回の商品では飲みやすさを徹底的に追求することを課題に掲げた。

 東橋氏は「どう新しさを出すかに苦労した。たくさんのビールがあるが、例えば、のどごしなど、味の要素を強調するブランドが多いが、今回はあえて引き算のようなイメージで特徴を低いところでバランスさせ、飲みやすさに振り切った」と、コンセプトを説明する。

 近年はチューハイをはじめ、さまざまなお酒が食事と一緒に飲まれる場面が増えていることから、田山氏は「あまり自己主張せず、(食事に)寄り添う、繊細なバランスのビール」だと、その味わいを表現している。

 発表会には、晴れ風のテレビCMに出演する内村光良、天海祐希、今田美桜、目黒蓮の4名も登場。「本当に晴れやかな風のように体の中を駆け抜けていく」(内村)、「ちゃんとビールですという主張はあるが、スパンと切れる」(天海)、「春の季節にぴったり。飲んだときに深呼吸したくなるフレッシュな味」(今田)、「晴れ風という名前がぴったりな商品」(目黒)などとコメントしていた。

内村光良
天海祐希
今田美桜
目黒蓮