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メルシャン、チリワイナリーとの協働第2弾は王道“カベルネ・ソーヴィニヨン”の「コンチャ・イ・トロ アミシス 2022」

2024年9月17日 発売

メルシャン株式会社 代表取締役社長 大塚正光氏(左)とヴィーニャ・コンチャ・イ・トロ テクニカル・ディレクター マルセロ・パパ氏(右)

 メルシャンは、チリの大手ワイナリー「ヴィーニャ・コンチャ・イ・トロ」との協働プロジェクト「パシフィック・リンク・プロジェクト」の第2弾となる「コンチャ・イ・トロ アミシス 2022」を発売するのにあたり、発表会を開いた。

シャトー・メルシャン×コンチャ・イ・トロ「コンチャ・イ・トロ アミシス 2022」

発売日: 2024年9月17日
価格: 1万3000円前後(税別)
カテゴリー分類: 果実酒(赤ワイン)
品種: カベルネ・ソーヴィニヨン 80%、カベルネ・フラン 17%、プティ・ヴェルド 3%
容量: 750mL
アルコール度数: 14.5%
生産本数: 約6600本(国内外で3300本ずつの販売予定)

「コンチャ・イ・トロ アミシス 2022」は商品名の「Amicis(アミシス)」と、2社のロゴをブロンズ箔であしらった高級感のあるデザイン

ヴィーニャ コンチャ・イ・トロ テクニカル・ディレクター マルセロ・パパ氏のコメント

 世界クラスのカベルネ・ソーヴィニヨンの生産地として名高い「D.O.プエンテ・アルト」の赤ワインで、カシスやプラムの香りと杉のキャラクターに、非常に複雑で素晴らしいアタック、洗練された味わいの自信作です。

シャトー・メルシャン チーフ・ワインメーカー 勝野泰朗氏のコメント

 深みのある生き生きしたガーネットのような色味と、紫色の花に程よいスパイスが寄り添った馥郁(ふくいく)とした香りが楽しめます。フレッシュさも感じられる果実感が 口中を豊かにし、滑らかなタンニンが長く余韻に残ります。適度な酸が全体のバランスを整えています。

ヴィーニャ コンチャ・イ・トロ テクニカル・ディレクター マルセロ・パパ氏
シャトー・メルシャン チーフ・ワインメーカー 勝野泰朗氏

 発表会では今春にメルシャンの代表取締役社長に就任した大塚正光氏が、ワイン市場の課題と、それに向けた事業戦略について説明した。

 日本のワイン市場全体は約5%減、国内製造ワイン市場は約9%減、輸入ワイン市場は約4%減と、減少傾向にある。消費者の価値観が多様化し、飲酒人口の減少、ワイン飲料の減少、ワイン以外のカテゴリーへの流出などにより、「コモディティ化」「同質化」が起きている。そんなワイン市場に向けた活性化の重要要素として「プレミアマイズ」が挙げられた。

メルシャン株式会社 代表取締役社長 大塚正光氏

「カッシェロ・デル・ディアブロ」ブランドが中高価格帯をけん引する一方、「同 デビルズ・カルバナル」はインパクトのあるビジュアル、SNSでの展開などにより、若年層を含んだ新規ユーザーの獲得に成功。プレミアマイズへの手応えを感じたという。

 そしてユーザーの「価値観」や「ライフスタイル」を分析し、「ライト」「ミドル」「ヘビー」「国内ワイン」「輸入ワイン」といった旧来のターゲットカテゴリーから、消費者にあわせた「自分らしさ層」「こだわり層」「健康志向層」「やりくり層」という新しいセグメントで、新規ユーザーの獲得と、既存ユーザーの獲得・維持を狙っていく。さらにグローバル市場でもシャトー・メルシャンの輸出事業を強化し、2030年までに売上構成比20%を目指すとした。

 メルシャンとコンチャ・イ・トロが掲げる「パシフィック・リンク・プロジェクト」は、「イノベーティブ」「サステナビリティ」「グローバル」「ラグジュアリー」の4つのコンセプトのもと、日本とチリ両国の知見を活かしたワイン造り・マーケティングにより、日本ワインの国内外でのさらなる魅力化と、チリワインの日本での「プレミアマイズ」を推進するもの。

 人材交流とグローバル展開として「イノベーティブ」には、日本とチリの造り手がそれぞれの知見を活かし、同じコンセプトのワイン造りを年2回行なう。プロジェクトを継続することで多様なワイン造りを行ない、イノベーションを起こし続けるとある。

 そして第1弾として4月に登場した「シャトー・メルシャン 岩出甲州 アミシス 2023」は日本ワインの象徴的な品種の1つである「甲州」を使い、コンチャ・イ・トロのマックス・ワインラブ氏が来日して意見交換を行ない生み出されたものだった。そして第2弾となる「コンチャ・イ・トロ アミシス 2022」はチリのワイン向けブドウ品種で1位であり“チリカベ”で日本人にもなじみのあるカベルネ・ソーヴィニヨンを主体にしたもので、メルシャンの勝野泰朗氏と岡村敦氏がチリを訪れて交流することで生み出されたものになる。

「コンチャ・イ・トロ アミシス 2022」はコンチャ・イ・トロのテクニカル・ディレクターであるマルセロ・パパ氏との協働により、「チリのブドウの個性を活かしながら、より広く、国内外のお客さまから受け入れられるなめらかで繊細、エレガントな味わいを目指したブレンド」とされている。

 カベルネ・ソーヴィニヨン 80%、カベルネ・フラン 17%、プティ・ヴェルド 3%という構成で、勝野氏が「アクセントとして加えた」と語るプティ・ヴェルドと主体のカベルネ・ソーヴィニヨンから豊富なタンニン、力強さを予感して試飲したが、それらはもちろんありつつもとてもフルーティで日本人に受け入れられやすい印象だった。

 発表会では本商品とともに、11月初旬発売予定の「コンチャ・イ・トロ マルケス・デ・カーサ・コンチャ ヘリテージ 2021」(税別で1万2000円前後の見込み)も試飲用に提供されたが、こちらはよりグローバル市場を感じさせる、しっかりめのカベルネ・ソーヴィニヨンだった(カベルネ・ソーヴィニヨン 76%、カベルネ・フラン 24%)。

 ちなみに第3弾は再び甲州が登場。コンチャ・イ・トロのマックス・ワインラブ氏が2023年に続き来日し、収穫から圧搾、発酵まで、シャトー・メルシャンのワインメーカーと協働で仕込みを実施し、よりグローバルに向けた新たなスタイルのワイン造りに挑戦したものになるという。発売は2025年春を予定している。

発表会ではチリ共和国大使館 駐日チリ大使のリカルド・G・ロハス氏も登壇し、100年以上となる両国の友好関係、「パシフィック・リンク・プロジェクト」への期待を語った