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メルシャン、甲州ブドウの可能性を広げたワインの20周年記念商品

シャトー・メルシャン 甲州きいろ香 アン・オマージュ・ア・タカ 2024

2025年6月8日 先行発売
シャトー・メルシャン 甲州きいろ香 アン・オマージュ・ア・タカ 2024

 メルシャンは、「シャトー・メルシャン 甲州きいろ香 アン・オマージュ・ア・タカ 2024」を6月17日に発売する。直営通販サイトの「WINE & DOORS」やワイナリーでは8日から先行販売される。価格は4190円(税別)。

 同商品は、日本固有のブドウ「甲州」のワインにおける可能性を広げるきっかけとなった「シャトー・メルシャン 甲州きいろ香 2004」の発売20周年を記念して作られたもの。酸味や香りが弱く、個性のないブドウとされ、2000年代初期には栽培面積や収穫量が半減していたが、同社の甲州プロジェクトで再注目されることになった。

 プロジェクトの第2弾として、ボルドー第二大学との共同研究によって「シャトー・メルシャン 甲州きいろ香 2004」が生み出され、発売後2か月で完売となったほか、英国のワインガイドでも高評価を獲得し、「甲州ワイン」の存在を世界にアピールすることになった。

商品の特徴

 商品名にある「アン・オマージュ・ア・タカ」は、当時、ボルドー第二大学側で研究を担当していた故・富永敬俊博士への敬意を示しており、ラベルデザインも同氏をモデルにした絵本「いとしい小鳥 きいろ」のイラストが用いられている。ちなみに、「きいろ香」という名称は、この絵本のなかにも登場する小鳥に付けられた名前に由来している。

 成功の要因となったのは、甲州のなかに潜在的に存在していた柑橘の香りを発見し、引き出したこと。シャトー・メルシャン ゼネラル・マネージャーの小林弘憲氏は、この成功について富永氏が「醸造学の勝利」と喜んだと振り返る。

シャトー・メルシャン ゼネラル・マネージャーの小林弘憲氏

 その味わいについては、「収穫時期を意識し、甲州に含まれるグレープフルーツのような柑橘香の香り成分を最大に引き出した、柑橘香と酸に注目したスペシャル・キュヴェのワイン。カボスやスダチのような和柑橘の香りと、グレープフルーツの果皮を思わせる香りが広がり、豊かな酸とのハーモニーを楽しめるワイン」とされている。