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植物性100%のサラダチキン「植物生まれのグリーンチキン」10月2日発売

2023年10月2日 発売

植物生まれのグリーンチキン(ブロックタイプ)

 亀田製菓傘下のマイセンファインフードは、「植物生まれのグリーンチキン」を10月2日に発売する。

 マイセンファインフードは、プラントベースフード事業を展開しているが、従来はお湯で戻すドライタイプの商品となっていた。今回発売されるのは、そのまま食べられるチルドタイプの商品で、その名のとおり食塩や添加物を除き、植物性100%のサラダチキンとなる。

 ペッパーとハーブの2種類のフレーバーをラインアップし、そのままかじって食べることを想定したバータイプと、スライスして食べることを想定したブロックタイプのパッケージで販売される。価格はバータイプが250円程度、ブロックタイプが350円程度(いずれも税別)になる見込み。

植物生まれのグリーンチキン(バータイプ)

 9月29日に都内で開催された発表会において、代表取締役社長の村井龍昭氏は、プラントベースフードの市場動向を紹介。2021年の340億円から、2025年には730億円に成長する見通しとなっている。

 プラントベースフードが注目される背景には、世界的な人口増加により食糧問題が顕在化する可能性があり、とりわけ2030年にたんぱく質の供給が不足すると予測されていることが挙げられるという。

 また、地球温暖化の原因と指摘される温室効果ガスについても、動物性たんぱく質と比較して大豆などの植物性たんぱく質の方が圧倒的に環境負荷が低いという点で注目されている。

 一方、村井氏は、「消費者の買い方は諸外国と日本で大きく異なる。欧米ではビーガンやベジタリアンという切り口でプラントベースフードが取り扱われているが、日本ではどちらかというとヘルシーさや、カラダにいいというイメージ的なところから購入されている人が多い。そして圧倒的に女性が多く購入している」と指摘。

 また、プラントベースフードのネガティブなイメージも残っており、とりわけ“おいしさ”に対して懐疑的な消費者が多く、国内においては、この点の改善が最も重要だと語る。

 同社では、チキンらしい独特の繊維感を追求。村井氏は藁と漆喰の関係にたとえ、「漆喰だけだと乾くとボロボロと崩れてしまうが、藁があると組織が保たれて崩れない」と従来の大豆ミートとの違いを説明する。

 異なるたんぱく質を用いて作ったプラントベースフードを混ぜ合わせて成形し、加熱するという作り方をしているとのことで、完成までに2年の歳月を要した。同氏によると、乾燥卵白を使えば比較的簡単に実現できるが、卵アレルギーも問題になるとして、植物性100%にこだわったという。

 今回の発表会では実際に商品を試食する機会があったが、サラダチキンらしい食感と風味になっていることが確認できた。

 さらに、栄養面でも女性の多くが気にするとされているたんぱく質と食物繊維を豊富に含んでいることも特徴の一つとなる。たんぱく質については、バータイプ1本で卵2個分に相当する12g、食物繊維については、バータイプ1本でレタス1個分に相当する2.6~2.7gを含んでいる。

 植物由来とあって、イソフラボンについても、バータイプ1本で豆乳80ml分に相当する24mgを含むなど、本物のチキンでは摂取できない栄養素もウリの一つとされる。

 村井氏によると、サラダチキンのようにそのまま食べることを想定しているが、加熱調理も可能。「食感としては少し柔らかくなるが、溶けたりはしない」とのことだ。

 同社では、スーパーマーケットを中心にまずは1000店舗での取り扱いを目指し、商品力を見極めながら2交代制に移行するなどして工場の製造能力を高めていく方針だとしている。

マイセンファインフード 代表取締役社長の村井龍昭氏(左)と亀田製菓 代表取締役社長 COOの髙木政紀氏(右)」