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キリン、熊本の本格麦焼酎使用の新シリーズ「上々 焼酎ソーダ」10月17日発売

2023年10月17日 発売

熊本の本格麦焼酎を使った新シリーズ「キリン 上々 焼酎ソーダ」

 キリンビールは10月17日より、原料に本格麦焼酎などを使用した「キリン 上々 焼酎ソーダ」を発売する。価格は350mL缶が179円前後、500mL缶が245円前後。

 熊本にある「メルシャン八代不知火蔵」で製造された本格麦焼酎原酒に加え、米麹抽出物や食塩など焼酎の特徴を引き立てる素材と組み合わせることで、焼酎の本格感とともにクセのない爽やかな味わいに仕上げたという。

10月17日発売「キリン 上々 焼酎ソーダ」

すっきり飲みやすい食中酒、「サバの味噌煮」がベストなマッチング

RTD市場拡大の一手として投入する

「キリン 上々 焼酎ソーダ」は、麦焼酎と炭酸水をベースにした、いわゆる缶チューハイの一種(RTD:Ready to Drink「開けてそのまま飲めるアルコール飲料」)。キリンが新たにシリーズ展開する商品となる。原料には、約80年の歴史をもつ熊本の焼酎蔵「メルシャン八代不知火蔵」において、現地の球磨川の伏流水を使用し、経験豊かな蔵人の手によって作られた本格麦焼酎を一部に使用。味わいに深みを加える米麹抽出物、飲みやすさにつながる食塩も組み合わせ、さまざまな料理に合う食中酒として開発した。

 慶應義塾大学が開発した味覚センサー「レオ」による食相性分析では、「サバの味噌煮」が99.1点という高得点を獲得した。そのほか「肉じゃが」や「マグロの刺身」をはじめとする和食との相性度が高いとしているが、和食に限らず油っこいもの、味の濃い料理にも合うように設計しているとのこと。

原料の麦焼酎は「メルシャン八代不知火蔵」で製造したものを一部に使用
米麹抽出物と食塩を添加することで味に深みをもたせ、飲みやすくした
料理との相性では「サバの味噌煮」が最も合うとの分析結果に

 開発を担当した増崎瑠里子氏によれば、焼酎には米や芋などもあるが、開発にあたってはそのなかでも香りや味わいに華やかさが感じられる「麦」を選択。炭酸水と合わせることで焼酎の存在感を感じながらも穏やかな刺激が得られ、それでいて料理の味を消さずに調和させられる飲み口に仕上げたとしている。糖類およびプリン体がゼロというヘルシーな点も特徴とする。

「気分上々な生活に貢献する」をコンセプトに、これまで焼酎になじみがなかった人や、焼酎に苦手意識がある人もターゲットとした。焼酎にソーダを合わせるという比較的“上級者”向けのイメージがある飲み方だが、気軽に購入できるRTD商品で展開するという新鮮味とともに、実際の飲みやすさも追求することで、焼酎にこだわりのある人だけでなくエントリー層に向けても訴求していく。

 ビール・発泡酒・新ジャンルといったビール類がこの10月以降、2026年まで段階的に税率が変化(ビールは減税、ほかは増税)し、最終的に350mL当たり54.25円に統一される予定のなかで、「キリン 上々 焼酎ソーダ」が含まれるRTDカテゴリーのアルコール飲料は2026年10月まで税率が一定(同28円)、かつ増税後も値上がりが抑えられる(同35円)見込み。近年のRTD市場の拡大傾向や、ビール類との同時購入(併買)の動きが広がっていることを考えると、今後も順調に市場拡大が見込まれるとして、今回の「上々 焼酎ソーダ」という新商品の投入に至ったとしている。

RTDカテゴリーの商品は2026年10月まで税率が一定で、市場のさらなる拡大が見込まれる

 販売目標は2023年内に約80万ケース(250mL×24本換算)。同社の既存RTD商品には、1~8月の前年比で約7%の販売増を達成したという「氷結」シリーズや、販売本数10億を突破した「氷結 無糖」シリーズ、2000万本を突破した高付加価値ブランドの「麒麟百年」シリーズがある。同社は、そこに加わる「上々」シリーズが「新たな成長エンジン」の1つとしてRTD市場の拡大を牽引するような商品になることを期待しているとした。

販売目標は2023年内に約80万ケース
「氷結 無糖」シリーズなど。無糖チューハイカテゴリーも人気が高まっている。2023年10月に一部を除きリニューアルし、みずみずしくクリアな果実感のある味わいに
新商品の詳細や戦略について説明したキリンビール株式会社の増崎瑠里子氏(左)と松村孝弘氏(右)