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キリンビール、クラフトビールの新製品「スプリングバレー 豊潤<496>」説明会 4種類のホップと「ディップホップ」製法

2021年3月23日 発売

350ml缶:248円(税別)

500ml缶:330円(税別)

クラフトビールの新製品「SPRING VALLEY 豊潤<496>」

缶ビールとして発売になったスプリングバレー

 キリンビールは3月23日、クラフトビールの新製品「SPRING VALLEY 豊潤<496>」の350ml缶、500ml缶を発売した。価格は、350ml缶が248円(税別)、500ml缶が330円(税別)。この缶商品の発売に先行して、3月1日から「Tap Marché(タップ・マルシェ)」(3Lペットボトル)、「スプリングバレーブルワリー」直営店(15L樽)でも同ビールの提供を開始している。

 キリンビールは、2011年からクラフトビール事業の構想を開始し、2014年より本格的な展開を開始。2015年にはクラフトブルワリーとなる「スプリングバレーブルワリー」を代官山と横浜に開業している。

 今回新たに発売される「SPRING VALLEY 豊潤<496>」(以下、スプリングバレー)は。キリンのクラフトビールを家庭でも楽しめるように缶商品としたもの。数字の完全数を名前に冠した現行の<496>をベースに誕生した商品となる。

スプリングバレーは、通常のビールよりも濃い色となっており、クラフトビールらしい、独特のリッチさを感じることができる
スプリングバレーの栄養成分表示

 スプリングバレーの製法や味、特徴についてキリンビールはオンライン説明会を開催。キリンビール 事業創造部スプリングバレー担当 吉野桜子さん、同 マスターブリュワー 田山智広さんが登壇し、製品に込めた思いなどを語った。

クラフトビールのよいところは「みんな違って、みんないい」

キリンビール株式会社 事業創造部スプリングバレー担当 吉野桜子さん

 吉野さんはスプリングバレーの由来から解説。スプリングバレーについて「『春らしいぴったりなお名前ですね』なんて言われたりするんですけど、実はスプリングバレーは春の谷ではなく、泉の谷という意味を持っています。その由来は1870年、ウィリアム・コープランドという方が横浜の山手に設立した日本で最初に商業的に成功したブルワリーがスプリングバレーという名前でした」と紹介。この「スプリングバレー・ブルワリー」には、日本初のビアガーデンとなる「スプリングバレー・ビヤガーデン」もオープンし、日本のビール産業の礎となった。その後、スプリングバレー・ブルワリーはジャパン・ブルワリーとなり、今のキリンビールへとつながっている。

スプリングバレーブランドの原点
キリンのクラフトビールへの取り組み
クラフトビールの展開

 吉野さんは、「キリンビールはクラフトビールを作り手の感性と創造性が楽しめるビール」と考えていると紹介し、吉野さん自身としてはクラフトビールのよいところは「みんな違って、みんないい」だという。

 クラフトビールにはさまざまなものがラインアップされているが、どちらがおいしいではなく、「縦の比較ではなくて、横に広がっていく、そこがよさだと思っています」といい、ビールの楽しみの幅が広がることを評価しており、さまざまな製法のクラフトビールがあることで「ビールのおいしさを再発見できる」と語った。

クラフトビールとは
スプリングバレーについて

キリンが確立した「ディップホップ」製法、4種類のホップを投入

キリンビール株式会社 マスターブリュワー 田山智広さん(左)

 そのクラフトビールであるスプリングバレーの製法などについては、マスターブリュワー 田山智広さんが説明。ビールは麦汁とホップを発酵して作られる醸造酒であることは知られているが、田山さんによると、ホップの入れ方にはいくつかの方法があるという。

 ホップはビール特有の苦みや香りのもととなるものだが、そのホップを入れるタイミングによって、最終的な苦みや香りが同じポップを使用しても異なってくるとのこと。発酵前に入れる「レイトホップ」では後工程に発酵過程があることから穏やかな香りとなり、発酵の終わり課程となる貯蔵時にホップを投入する「ドライホップ」では特徴的な香り付けが行なえる。

 キリンビールは2011年に、ビール醸造の発酵中に酵母と一緒にホップを入れる「ディップホップ」製法を確立。このディップホップにより、豊潤な香りを実現したとのこと。レイトホップで付きやすい苦みや、ドライホップで付きやすい松ヤニ様の香りもなく、飲みやすさも両立できたという。

 このスプリングバレーには、キリンビールの最高級の麦芽をたっぷり使って麦汁を作り、そこに4種類のホップをディップホップで加えてある。そのリッチな麦汁とディップホップで加えた4種類のホップにより実現した味が、「バランスがよく、それから雑味がなくて、ずっときれいな後味が残るというところをキープ」できるクラフトビールだという。

スプリングバレーの製法について
ディップホップ製法について
おいしい飲み方
吉野さんが説明しているときにスプリングバレーを飲む田山さん
吉野さんが説明しているときにペアリングを楽しむ田山さん

 スプリングバレーの液色(えきいろ)に関しても、濃いめの液色となっており、これは「ローストした麦芽を使用している」からとのこと。そのため、スプリングバレーと一緒に楽しむ食事は、少しスモークしたりであるとか、ローストしたりであるとかされたものがよく合うとのことだ。

お勧めのペアリング
スプリングバレーの液色

 実際、試飲缶を飲んでみたが、普通のビールとはまったく異なる深い味がする。かといってクラフトビールではよくある、重い感じはなく、深いけどすっきりした味となっており、何杯でも飲める軽さがある。これまでのプレミアムビールやクラフトビールとは異なる世界観で作られているビールであるのは、すぐに気がつくことができるだろう。

 後は、実際にどんな料理や食事のシーンに合わせていくかということになるので、発売になったスプリングバレーを手に入れて楽しんでみてほしい。