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デニーズ創業50周年、都内人気レストランのシェフが監修したメニュー提供

2023年9月12日~

(左から)ルカンケの古屋壮一氏、セブン&アイ・フードシステムズの小松雅美氏、Regaloの小倉知己氏、アロマフレスカ 銀座の原田慎次氏

 デニーズ(セブン&アイ・フードシステムズ)は、創業50周年を記念し、9月12日に都内の人気レストランのシェフが監修したメニューの提供を開始する。

 第1弾となるのは、イタリアンレストランの「Regalo(レガーロ)」の小倉知己シェフが監修した「スパゲッティ 海老のマリナーラ シェフのおすすめ 3品セット」。価格は1969円。スパゲッティ 海老のマリナーラは単品でも1419円で注文可能で、サラダかスープのどちらかとスパゲッティがセットになった2品セットも1694円で提供される。

 スパゲッティは、トマトの風味をアンチョビの旨みで引き立てた特製のマリナーラソースが使用されており、監修した小倉氏はデニーズでのメニュー化にあたり、熱々の状態で提供することにこだわったが、「温度を上げると水分が飛ぶため、水分調整と温度のバランスに時間を割いた」と振り返る。

スパゲッティ 海老のマリナーラ

 同氏は、「商品開発を進めていくうちに本格的なパスタをデニーズで提供したいと思うようになった。パスタは麺類で、日常に根ざしたもの。先週食べたけど今週も食べたくなる。デニーズに行ったらパスタを食べたいと思うような自信作」だとしている。

 スープは、デニーズのオニオンスープをベースにしており、卵とチーズをのせて焼き上げ、アクセントにアーモンドスライスが加えられている。こちらも熱々だ。

 サラダは、バジルドレッシングが香るルッコラとローストポークのスライスとなっており、パンが2切れ添えられている。

スープ
サラダ

 今後、10月下旬~11月にかけて「アロマフレスカ 銀座」の原田慎次シェフが監修した第2弾、年末年始にかけて「ルカンケ」の古屋壮一シェフが監修した第3弾も登場する予定。詳細については、順次アナウンスするとしている。

 8月31日に開催された発表会には、第2弾を担当する原田氏と第3弾を担当する古屋氏も駆けつけ、2人とも若い頃にデニーズのジャンバラヤにお世話になったことを笑顔で振り返りつつ、今回のメニュー開発の裏側を紹介した。

 原田氏は「システム上の問題で簡単には行かなかったが、いいものができあがった。詳細は言えないが、冬の食材を使い、普段はお店で出していないようなパスタを作った」という。

 古屋氏は「フランス料理店は小さい子どもが入りづらいところもある。店舗数が多いデニーズでフランスのエスプリを入れた料理をコース仕立てでたくさんの人に食べていただいて、気軽に楽しめることを伝えたい」としている。

 セブン&アイ・フードシステムズ 代表取締役社長の小松雅美氏は、デニーズが日本で創業してから今年で50周年を迎えることを紹介。当初はメニューや客席、厨房も全てアメリカンな状態のアメリカンダイナーとしてスタートしたが、その後、日本に合う形に進化してきたと振り返る。

 挑戦の歴史だったとする小松氏は、コーヒーのおかわり無料や禁煙席の設置、24時間営業、低アレルゲンメニューの提供など、業界に先駆けてさまざまな取り組みを実施してきたと語る。

 同氏は「コロナがあり、業績が低迷し、かなり厳しい状況に陥ったとき、改めて我々の存在価値を考えた」とした上で、企業としての“お客さまの近くで、一皿に生きる活力と楽しさ、心の豊かさを提供する”というパーパスと、“一皿に豊かな明日を”というフレーズの下、ワクワク感と感動を呼ぶおいしい料理や商品を提供することや、ホスピタリティにあふれ感激を呼ぶフレンドリーなサービス、快適で居心地のよい雰囲気や空間を実現するというミッションで表現していることが今回監修を依頼した3人のシェフのレストランで実現されており、全店舗でその体験を提供したいと考えたと、3人に監修を依頼した背景を説明する。

 小松氏によると、今回のメニューを提供するにあたり、熱々の状態でパスタを出すこと、コース料理として順番に出すこと、フレンドリーで感じのよい接客、清潔な店内の4つのポイントを重視しており、それらを各地の店長たちに説明し、訓練を重ねているという。

 さっと食べて帰るファストフード的な利用のされ方も多くなってきているファミリーレストランだが、同氏は「消費者アンケートでは女性がゆっくり自分の時間を過ごす場所が少なく、その点でファミレスは使い勝手がいいという声もあり、そうしたニーズやシーズに応える新しい体験価値を提供したい」とする。

 今回のメニューについては、現在の客層が30~50代の女性の比率が高いこともあり、まずはそこがターゲットとなっているが、料理とあわせて過ごし方を提案することで客層の幅を広げていきたいとしている。